ヴァイオリンの最高の名器と言えばアントニオ・ストラディヴァリ(Antonio Stradivari, 1644-1737)とバルトロメオ・ジュゼッペ・グァルネリ‘デル・ジェズ’(Bartolomeo Giuseppe Guarneri 'del Gesù', 1698-1744)であり、多くの名演奏家によって愛用されてきた歴史があります。名器の音色は如何なるものなのか、毎年そのテーマでテレビ番組が企画されるほどに、今も昔も多くの人の興味を引いています。
その二大名器に着目し、20世紀に活躍した歴史的な名演奏家が使用した楽器の来歴を追ってみました。その録音から、ストラディヴァリとグァルネリ・デル・ジェズの音色の違いを感じ取ったり、楽器の入手前後の変化に耳を傾けてみると興味深いと思います。また、それらの名器が別の演奏家に引き継がれる場合もあり、弾き手による変化を聴き分けるのも面白いと思います。