Andrea Postacchini
[Fermo; 1781-1862]
アンドレア・ポスタッキーニ

イタリア中部Marche(洲)のFermoの製作家。当地の英雄であり、生前より『MarcheのStradivari』の称号を得ていた。その技術の殆どは独学で研究したもので、Cremonaなどのオールド・ヴァイオリンを規範として製作を行った。このことから、同世代のG.F.Pressenda(1777-1854)を中心とするモダン・ヴァイオリンの勃興期にあって、それらとは対照的な最後期のオールド・ヴァイオリンと位置づけることができる。

この時代のトップ・クラスのオールド・ヴァイオリンと呼ぶに相応しいクオリティを備えた作品群であり、特に、息子(Raphael)の名前をラベルに入れるようになってから(1825年頃以降)は黄金期とされる。A.Stradivariを規範としたオーソドックスなアウトライン、バランス良く配置されたf孔、美しいスクロールなどが典型的な特徴であり、派手さはないが堅実に古き良き作品像を追い求めたことが窺われる。

実用上は、ソロ用途にも十分耐える音量と、モダン・ヴァイオリンでは得難い味わい深い音色をもつ。価格相場は、高騰している同時代のモダン・ヴァイオリンより遥かに求め易く、オールド・ヴァイオリンとしての買い得感がある。ただし、マーケットに流通するのは極めて稀であり、資料も少ないことから贋作も多い。

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